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町田奈緒子(人間・環境学研究科 共生人間学専攻 修士1年)

プログラム開始当初、私は「オクスフォード大学」ではなく、「臆すフォード大学」にいた。振り返ると、周囲の人の志の高さや頭の回転の速さに圧倒され、なぜ自分はここに来てしまったのだろうと気後れしながら日々を送っていたように感じる。私の中での大きな転機は2週間が経ったときの先生の一言であった。他と見比べはるかに短い字数しか書けていない自分のエッセイを提出する際、“I’m sorry, I’m afraid my essay is shortest.”と情けなさを言葉にしながら手渡した。冷たい目線を向けられるかと思いきや、先生は、謝る必要はどこにもない、他者との比較ではなく、自分のできる範囲を伸ばしていけば良いのだよ、という言葉をかけてくださった。その言葉を受けたとき、他者との比較をして自己否定して臆すことに終始している自分に気が付いた。それから、周りとの比較ではなく、自身がここで何を持ち帰りたいのかについて考えて行動しなければ、自分のあら探しだけでプログラムが終了してしまうと感じ始めるようになった。2週間と数日が経った今、個人内の成長に目を向けるとともに、この状況を逆手にとって、周りの皆から様々なことを「盗む」ことでより進化していきたいと強く思っている。

1ヶ月にも満たない短期間のうちに、このように様々なことを考えるきっかけを得られたのは、日常接する機会のなかった他分野や他の学年の方々と接することができたことが大きく影響している。今回のプログラムにはオクスフォード大学の学生との交流は含まれていなかったため、人との交流による刺激はあまり予期していなかった。しかし、授業中はもちろん、食事や休憩時間に語らう中で、自身の大学の中にも、こんなにも深い知識や洞察を持った人々がいるのだということに改めて気付かされた。彼らと日々を過ごしたことが、私の変化に繋がったといっても過言ではない。

今回のプログラムは、修了後、教育と心理学の知識を実践できる職業に就きたいと考えている私にとって、英語やイギリス文化に関わる知識を増やすに留まらず、自身の経験や思考の幅を拡げる貴重な機会に思う。また、特にイギリスという国に来たことで、風土や歴史によって涵養された、彼らの、朗らかさとともに、周囲に流されない強さを兼ね備えた性質を先生方や町で暮らしを営む人々と接する中で感じられたことは、私の人間性を高める上で非常に示唆に富むものであった。残り僅かな期間となったが、周囲と比較して臆すのではなく、できることから自分の幅を拡げていきたい。

(※この報告はプログラム実施期間中に中間報告として作成されたものです。)

町田奈緒子(人間・環境学研究科 共生人間学専攻 修士1年)

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